世界最大のビットコイン保有企業である マイクロストラテジーは、仮想通貨市場におけるリーダーシップをさらに強化するため、大規模なビットコイン購入計画を進めています。同社は最近、永久優先株式を活用した新たな資金調達戦略を発表し、2025年第1四半期に20億ドル(約3,154億円)の資金を調達する予定です。この取り組みは、同社の「21/21プラン」を加速させ、さらなるビットコインの取得を目指すものです。
セイラートラッカーの投稿でビットコイン購入を予告
同社の共同創設者である マイケル・セイラー氏 は、1月5日に自身の公式X(旧Twitter)アカウントでセイラートラッカー(SaylorTracker)から投稿したビットコインチャートを共有しました。このチャートは、過去にも同氏がビットコイン購入の直前に投稿していたものであり、今回も次週の購入を示唆するものと考えられています。
セイラー氏はこの投稿で「セイラートラッカーには何か違和感がある」と述べ、フォロワーにビットコイン購入の可能性を匂わせました。この動きは、2024年12月30日に同社が2,138BTCを1BTCあたり平均97,837ドル(約1,500万円)で購入した際と同様のパターンであり、市場関係者の注目を集めています。
「21/21プラン」の進行と株式発行の拡大
マイクロストラテジーは、株式と債券をそれぞれ21億ドルずつ発行し、合計420億ドル(約6.6兆円)を調達する「21/21プラン」を推進しています。この計画の目的は、さらなるビットコイン購入を可能にする資金を確保することです。2024年12月23日には、同社が ナスダック100指数 に正式に追加され、同指数を通じて上場投資信託(ETF)を保有する従来型の株式投資家が間接的にビットコインにエクスポージャーを持つ状況が生まれました。
ナスダック100への組み入れに続き、同社は特別株主総会を開催し、発行可能株式数の大幅な拡大を提案しました。この提案では、以下のような変更が計画されています。
これにより、同社は必要に応じて柔軟に資金調達を行う体制を整えることができます。
永久優先株式を通じた新たな資金調達計画
さらに、2025年第1四半期には 永久優先株式 を通じて20億ドルを調達する計画を発表しました。この株式は、倒産時や企業清算時においてクラスA普通株式よりも優先的に財務分配を受ける権利を持つ特権的なもので、同社の資金調達基盤を強化する狙いがあります。
マイクロストラテジーは、この募集を市場の状況に応じて柔軟に進める方針であり、資金調達が成功すればさらなるビットコイン購入に充てられる予定です。この戦略は、同社がバランスシートを強化し、仮想通貨市場におけるリーダーシップを維持するための重要な一歩とされています。
現在のビットコイン保有状況とパフォーマンス
マイクロストラテジーは現在、446,400BTCを保有しており、その総額は約439億ドル(約6.9兆円)に達しています。同社のビットコインは平均価格62,500ドル(約980万円)で取得されており、これまでの投資で57.2%の上昇を記録しています。
また、2024年中には過去最高となる257,250BTCを購入しており、これらの購入額は数十億ドルにのぼります。この大規模な購入は、仮想通貨市場全体に影響を与える可能性が高いと見られています。
セイラー氏の展望と市場への影響
マイケル・セイラー氏は、ビットコインが将来的に100万ドル(約1億5,000万円)に達すると確信しており、価格に関係なく購入を続ける姿勢を貫いています。同氏は、「ビットコインは長期的な価値の保存手段としての地位を確立し、世界経済に革命をもたらす」との信念を持っています。
こうしたビジョンに基づき、マイクロストラテジーはビットコインを企業財務の中心に据え、世界中の企業に対してビットコイン採用の道を開いてきました。同社の戦略は、ビットコイン市場だけでなく、金融市場全体にも影響を与えています。
今後の展望:ビットコインとマイクロストラテジーの未来
2025年以降、マイクロストラテジーは「21/21プラン」のさらなる推進と永久優先株式の募集を通じて、ビットコイン購入を加速させる計画です。同社の取り組みは、仮想通貨市場の発展に寄与するとともに、企業財務戦略の新たなモデルを提示するものといえます。
ナスダック100への組み入れや新たな資金調達戦略を通じて、マイクロストラテジーは仮想通貨市場におけるリーダーシップをさらに強化していくことでしょう。同社の動向は、今後も市場関係者や投資家にとって注目の的となるに違いありません。