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『マイクロストラテジー(Microstrategy MSTR)』について発信中!

インフレ懸念の再燃、ビットコインが急落しマイクロストラテジー株も大幅下落


米国で再びインフレ懸念が浮上した影響で、ビットコイン(BTC)が大幅に値を下げました。この急落の影響は、世界で最も多くのビットコイン保有している企業であるマイクロストラテジー(MicroStrategy)の株価にも波及し、約10%近い下落を記録しました。2024年1月7日(現地時間)、ニューヨーク証券取引所で同社の株価は341.42ドル(約5万4,000円)となり、前取引日比で9.94%の急落となりました。このように、ビットコイン市場とマイクロストラテジーの株価の密接な関係が改めて浮き彫りとなりました。

今回のビットコインの下落を引き起こした主な要因は、米国経済指標の予想外の結果によるインフレ懸念の再燃です。米国供給管理協会(ISM)が発表した12月のサービス業購買担当者指数(PMI)は、54.1という数値を記録しました。この結果は市場予想の53.4を上回るもので、米国のサービス部門が引き続き堅調に成長していることを示しています。PMIの数値が50を上回る場合、経済が拡大しているとされますが、今回特に注目されたのは「価格指数」が大幅に上昇した点です。価格指数は64.4を記録し、前月比で6.2ポイントの急上昇となりました。この結果は、サービス部門の価格上昇が進んでおり、インフレが依然として抑制されていないことを示唆しています。

インフレ懸念が高まると、米国連邦準備制度FRB)が政策金利を引き下げる可能性が低下します。今回のデータを受けて、米国債市場では10年物国債利回りが0.07%ポイント上昇し、4.7%に迫る水準となりました。これは2023年4月以来の高水準であり、金融市場における金利の上昇がビットコインなどのリスク資産に対する投資意欲を削ぐ結果となりました。高金利環境下では、無利息資産であるビットコインの魅力が相対的に低下するため、売り圧力が強まりやすくなります。

ビットコイン市場では、1月7日現在、価格が24時間前比で4.81%下落し、1BTCあたり96,823ドル(約1,529万円)で取引されています。この価格下落により、ビットコイン心理的な節目である10万ドルを再び割り込み、市場参加者の不安を増幅させています。また、他の暗号資産も同様に売りが広がり、暗号資産市場全体が調整局面に入りました。

このような市場動向は、ビットコインの最大保有企業であるマイクロストラテジーの株価にも大きな影響を与えました。同社はこれまでに447,470BTCを保有しており、その総額は約280億ドル(約4兆7,000億円)に達します。同社の資産構成がビットコインに大きく依存しているため、ビットコイン価格の変動が直接的に株価に反映される構造となっています。今回の下落を受け、ニューヨーク証券取引所で同社の株価は前取引日比で9.94%下落し、341.42ドル(約5万4,000円)を記録しました。この急落は、投資家の間で同社のリスクプロファイルに対する懸念を高める結果となっています。

さらに、今回の市場動向は暗号資産市場全体に波及しています。特に、昨年末から今年初めにかけては多くの投資家が利益確定売りを行い、ビットコイン価格は一時的に安定していましたが、今回のインフレ懸念が再び市場の不安を引き起こし、大規模な売り圧力を生じさせました。このような背景から、暗号資産市場は短期的なボラティリティが高まる可能性があります。

追加的な影響
インフレ懸念と市場金利の上昇は、暗号資産市場以外の分野にも影響を与えています。例えば、株式市場では技術株を中心に売りが広がり、NVIDIAやテスラなどの主要銘柄も下落しました。一方で、安全資産とされる金の価格は上昇し、投資家のリスク回避傾向が強まっていることがうかがえます。

また、FRBの金融政策に対する市場の見通しも変化しています。今回のPMIデータは、FRBがインフレ抑制のために金利を高止まりさせる可能性を示唆しており、これがリスク資産全般に対する圧力を強める結果となりました。このような環境下では、ビットコインを含む暗号資産市場の回復には時間がかかると予想されます。

米国でのインフレ懸念の再燃は、ビットコイン市場に深刻な影響を与え、最大保有企業であるマイクロストラテジーの株価をも押し下げました。今回の急落は、暗号資産市場のボラティリティの高さと、それに伴う投資リスクを再認識させるものとなりました。インフレや金利動向が市場全体に与える影響が今後も続く中、投資家は慎重な判断を求められる状況が続くと考えられます。